2014年4月9日

《田園からの風》/自然災害に強い自給率高い暮らし

◆大雪で5日間閉じ込められる

 

最近は「異常気象」続きである。

今年2月中旬、関東甲信地方は記録的な大雪に見舞われた。甲府市では、明治24年からの観測史上、最高の114㎝の積雪であった。120年来、記録にない大雪である。

八ヶ岳南麓(山梨県北杜市)では150㎝を超えた。私の家は、JR中央線日野春駅から約2㎞の高台にある。朝起きてみると、降りしきる雪が宙を舞い、屋根から落ちた雪が背丈を超えるほどうず高くなっている。とても外に出られる状況にはない。

私は、それから5日間家の中に閉じ込められることになる。集落の外れに我が家があるため、「あの家は別荘で今は誰も居ないだろう」と、300メートル先で除雪車が帰ってしまったからである。「集落の外れ」で環境がいいと思っていたことが裏目に出たのである。とてもそこまでスコップ一丁で除雪するのは無理と悟る。

薪ストーブで家の中はポカポカ、食料のストックは十分で食べ物には困らない。となれば「雪はいずれ消えるもの」と籠城を決め込む。

そうすると不思議なもの。いつも「何かしなくては」という脅迫観念に追いたてられるような気持が何処かに消え、心がとても落ち着いてきて、ゆったりと至極の時間が過ぎていく。

ストーブの中のゆらりと燃える炎を眺めながら、「何もしない。何もしなくていい」という時間を持つことがいかに人間を回復させることか、をしばし考える。

昔、雪国では囲炉裏を囲み、ゆったりと冬を過ごした農家の暮らしに思いを寄せる。

 

豪雪地帯ほど雪に備えて準備万端

 

5年ほど前、八ヶ岳南麓に60㎝の雪が降った。「びっくらしたなー。こんな雪を見た
のは、生まれてから初めてだぁ」。近所の80歳過ぎのバアちゃんの言葉である。

100年に1回もないような大雪が数年に2回もやってくる。これはもう「数十年に一度」の異常気象と言ってはいられない。

八ヶ岳南麓の冬は、陽光に恵まれて窓辺一杯に太陽光が差し家の中は暖房が要らないほど暖かい。年間日照時間が日本で最も長いことで知られるが、これは冬季の晴天日が多いからである。

冬、太平洋沿岸を北上する低気圧が関東地方に雨や雪をもたらすが、富士山や丹沢山系があるため甲府盆地まで影響をもたらすことは少ない。東京や神奈川が雨や雪でも、中央高速道で笹子トンネルを抜けると晴天ということもしばしばである。また日本海側ではシベリア寒気団が押し寄せ山間部に豪雪をもたらすが、北アルプスや中央アルプスなど大きな山脈に阻まれてその影響を受けることはない。

こうした内陸性の気候のため、八ヶ岳南麓は雪が降っても、せいぜい20㎝程度、ひと冬に2〜3回であった。今回は、太平洋岸の低気圧が富士山や丹沢山系を乗り越えてやってきたしわざである。

豪雪地帯では、雪に備えて体制と準備が整っている。雪が降り始めると、深夜でも除雪車に出動指令が出て、朝の出勤通学時までには生活道路が確保される。あまり雪の降らない東京では、5㎝程度の積雪でもバス電車は大混乱する。山梨県も除雪体制が整っているとはいいがたい。除雪は建設用重機で代用しているため、今回のような豪雪にはあまり役立たず、新潟県や長野県から除雪車を派遣して貰うほどである。

市町村が除雪する道路は、生活道路や通学道路などあらかじめ決まっている。したがって、田舎暮らしの地を積雪地帯に選ぶとすれば、その道路がどれなのかを調べておく必要がある。

 

薪ストーブは災害時の救世主

 

薪はひと冬に、薪小屋に幅2間分が必要である。我が家の薪小屋には来冬までの薪が積まれている。

薪ストーブは、3年前の東日本大震災の際、長時間の計画停電にも救世主の役割を果たした。暖房はもちろん、料理にも照明にも活躍した。

 

田舎暮らしの魅力は自給自足にあり

 

田舎暮らしの魅力は、何といっても自給自足ができることである。菜園ではあらゆる野菜が作られ、シーズンに収穫されたものは、さまざまな方法で加工され、それぞれに適した方法で貯蔵される。

我が家の食品庫には、上開きの大型冷凍庫(320リットル)があり、手づくりの生ハムやベーコンが一年分、収穫したトマト、トウモロコシ、エンドウ、ブルーベリーなど、様々な冷凍食品が蓄えられている。

都会の暮らしは、毎日のようにスーパーに買い物に出かけるが、田舎では自給自足、ストックのある暮らしが基本である。だから田舎暮らしは自然災害に強い。

数日間雪の中に閉じ込められた人も多いはずなのに、私の知る限り誰一人「田舎暮らしって大変!」とぼやく人はいなかった。

(ふるさと情報館 佐藤 彰啓)



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