一般に、古民家暮らしを望む方は古民家に対する具体的なイメージをあらかじめ抱いていることが多いようです。情報を集め、さまざまな再生事例を見聞きする内にイメージを膨らませること自体はよいのですが、あまり決めつけ過ぎると「イメージ通りの物件が見つからなくて」と目移りするだけで終わってしまいかねません。イメージは建物の規模や外見、間取りについて固めるのではなく、最初に述べたように「暮らしのイメージ」としてしっかり固めるのが成功の秘訣といえます。
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建築主が暮らしのイメージをしっかり持っていると、設計者はそれを汲み取って専門家の目から最良な提案を行います。それはこの事例のように的を絞った工事計画であったり、不要箇所の大胆な撤去、あるいは新しい素材の組み入れや新たな空間の創出など、建築主の希望とその建物独自の魅力を活かした再生設計として形になります。
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建築主が古民家暮らしに求めているものは何なのか? 設計者はひとつの答えとして土間の天井を取って吹き抜けにしてしまいました。すると、そこには一見「何もできない空間」が創り出されます。が、上がり框に腰掛けてこの空間に包まれる時、「探していたのはこんな時間だったのだ」と、きっと人は思うのです。誰もが忘れかけ、誰もが求めているもの、そんな安らぎの空間は実はどんな古民家の中にでも創り出すことができる、と私たちは考えています。 |